日産ノートは、日本国内で最も売れているコンパクトカーの一つです。特に「e-POWER」技術を搭載したモデルは、その燃費の良さや静粛性で高い評価を受けています。しかし、長年販売されているため、各世代ごとに特有の故障や注意点も存在します。
この記事では、ノートの魅力とともに、元日産整備士の視点から見た「よくある故障」について詳しく解説します。
もくじ
日産ノートが売れ続ける理由
1. e-POWERの優れた燃費性能
ノートの最大の特徴は、日産独自の「e-POWER」システムです。これは、エンジンを発電専用に使い、モーターで走行するという方式を採用しています。そのため、以下のようなメリットがあります。
- 低燃費:ガソリン車と比較して燃費が良い
- 静粛性:エンジンの作動音が少なく、スムーズな走り
- スムーズな加速:モーター駆動ならではのレスポンスの良さ
特に市街地走行では、エンジンが頻繁に動かず、電気自動車のような静かな走行が可能です。
2. スタイリッシュなデザインと豊富なカラーバリエーション
ノートは、2021年にグッドデザイン賞を受賞するほど、デザイン面でも評価されています。また、カラーバリエーションも豊富で、自分好みの一台を見つけやすいのもポイントです。
3. 高い実用性と快適な乗り心地
コンパクトカーでありながら、室内空間が広く、使い勝手が良いのもノートの魅力です。さらに、ハンドリング性能や乗り心地の良さも向上しており、長距離運転でも快適です。
歴代ノートのよくある故障と注意点
日産ノートには、3つの世代(E11、E12、E13)があり、それぞれ特有の故障や弱点があります。中古車購入時には、これらのポイントを押さえておくことが重要です。
1. E11型(2005年~2012年)の故障ポイント
E11型ノートは、初代モデルとして人気を集めましたが、いくつかの持病がありました。
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CVT(無段変速機)の故障
- 約12万km走行で壊れやすい
- バック時の振動やジャダー(ガタつき)が発生
- 修理費用は約30万円
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ブロアモーター&レジスターの故障
- エアコンの風が出なくなる
- ダッシュボードを外す大掛かりな修理が必要
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マフラーの脱落
- 特に雪国ではマフラーのフランジが取れることが多発
- 走行中に爆音化するケースあり
E11型は、中古市場でもあまり見かけなくなっており、故障リスクが高いため購入は避けた方が良いでしょう。
2. E12型(2012年~2020年)の故障ポイント
E12型は、2代目として登場し、e-POWERが導入されたモデルもあります。しかし、以下のような故障が報告されています。
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CVTのトラブル(初期モデル)
- E11型ほどではないが、振動や異音の報告あり
- 走行距離が伸びると故障リスクが高まる
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エアコンのアクチュエーター故障
- 温度調整が効かなくなる
- 走行距離に関係なく発生する可能性あり
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スーパーチャージャーモデルのベルト異常
- 交換作業が非常に困難
- 専用工具が必要で、DIY整備には向かない
E12型はE11よりは改善されていますが、中古車購入時にはCVTの状態やエアコンの動作をチェックすることが重要です。
3. E13型(2020年~現在)の故障ポイント
最新モデルであるE13型は、これまでの課題を克服し、故障リスクが低いと言われています。
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e-POWERの違和感
- エンジンが予想外のタイミングで作動する
- 一部のユーザーが「乗り心地に違和感」を感じることも
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アンダーカバーが多く整備が面倒
- オイル交換時に外すパーツが多い
- 整備性が悪く、DIYには向かない
E13型は、これまでのモデルと比較すると故障リスクが少なく、買いやすいモデルと言えるでしょう。
日産ノートを中古で買う際の注意点
中古でノートを検討している方は、以下のポイントに注意してください。
1. 避けた方がいいモデル
- E11型(初代):CVTの持病があり、修理費用が高額
- E12型の初期モデル:CVTの振動やエアコン不具合のリスクあり
2. 購入時のチェックポイント
- CVTの状態
- 変速時の違和感や異音がないか確認
- エアコンの動作確認
- 風量や温度調整が正常かチェック
- マフラーの状態
- 錆びや脱落の兆候がないか点検
3. おすすめのモデル
- E13型(最新モデル)
- 故障が少なく、性能も向上
- 価格はやや高めだが、長く乗るならおすすめ
まとめ
日産ノートは、e-POWERによる低燃費性能や使い勝手の良さで人気を集めています。しかし、世代によっては特有の故障があり、中古で購入する際には注意が必要です。
中古でノートを買うなら
✅ E11型は避ける(CVT故障が多い)
✅ E12型はCVTやエアコンを入念にチェック
✅ E13型なら安心して乗れる
中古車市場ではE12型が比較的安く手に入りますが、E13型を狙うのがベストです。しっかりと車両状態を確認し、長く快適に乗れるノートを選びましょう。