中古のハイブリッド車(HV)を探している方にとって、気になるのはハイブリッドバッテリーの劣化ですよね。バッテリー交換には約20万円ほどかかるため、購入後すぐに交換が必要になったら大きな出費となります。
そこで今回は、ハイブリッドバッテリーの劣化具合を確認する方法を詳しく解説します!
もくじ
ハイブリッドバッテリーの劣化を確認する方法
ハイブリッドバッテリーの状態を確認するには、「デルタSOC(ΔSOC)」という値をチェックします。
デルタSOCとは?
デルタSOC(ΔSOC)とは、ハイブリッドバッテリーの充電状態のばらつきを示す数値です。この値が大きいほどバッテリーの劣化が進んでいることを意味します。
目安となる数値
- 20%未満 → 正常
- 20%以上 → 要注意
- 40%以上 → 警告灯が点灯し、交換が必要な可能性大
つまり、中古車を購入する際には、このデルタSOCの値を確認することで、バッテリーの寿命をある程度把握できます。
デルタSOCを調べる方法
デルタSOCを調べるには、診断機(OBDスキャナー)を使用します。トヨタ専用の診断機「TS-CAN」や「GTS」では正確な数値を確認できますが、汎用の診断機でも確認できる場合があります。
診断手順
- エンジン停止状態でイグニッションON
- 診断機を車両に接続
- データモニター機能を使用し、デルタSOCを確認
- 各バッテリーセルの電圧をチェック
実際に診断した結果、デルタSOCが0%の車両は良好な状態と判断できます。一方で、数値が大きい場合は、近いうちにバッテリー交換が必要になる可能性があるため注意が必要です。
なぜハイブリッドバッテリーは劣化するのか?
ハイブリッド車のバッテリーには、ニッケル水素電池とリチウムイオン電池の2種類が存在します。
ニッケル水素電池(NiMH)
✅ 特徴
- 初代プリウスから採用されている
- 長年の実績がある
- 経年劣化しやすい(10年以上で性能低下)
⚠ 劣化しやすいポイント
- 充放電を繰り返すうちにバッテリー容量が低下
- 一部のセルの充電量にバラつきが生じる
- デルタSOCの数値が大きくなる
リチウムイオン電池(Li-ion)
✅ 特徴
- 近年のプリウスの一部グレードに採用
- 寿命が長い(劣化しにくい)
- 軽量でエネルギー密度が高い
リチウムイオン電池は劣化しにくいですが、現時点では採用車種が限られており、中古車市場ではニッケル水素電池搭載の車両が多いのが現状です。
中古ハイブリッド車を購入する際の注意点
1. 走行距離と年式をチェック
ハイブリッドバッテリーは一般的に10万kmを超えると劣化が進みやすいと言われています。ただし、バッテリーの状態は使用環境にも左右されるため、走行距離だけで判断するのは危険です。
2. デルタSOCを必ず確認する
前述のように、デルタSOCの数値が20%以上なら要注意! 購入後すぐにバッテリー交換が必要になる可能性があるため、できる限りこの数値を確認しておきましょう。
3. 交換用バッテリーの選び方
バッテリーを交換する場合、リビルト品と新品がありますが、粗悪なリビルト品には要注意!
⚠ リビルト品の注意点
- 数ヶ月で劣化して再交換が必要になるケースも
- 信頼できる業者の製品を選ぶことが重要
できればディーラー純正品か、信頼できるメーカーのリビルト品を選びましょう。
まとめ
✅ 中古ハイブリッド車を購入する際は、デルタSOCの値を確認しよう!
✅ 20%以上なら要注意、40%以上ならバッテリー交換の可能性大
✅ ニッケル水素電池は劣化しやすいが、リチウムイオン電池は寿命が長い
✅ 走行距離や年式だけでなく、バッテリーの状態をしっかりチェックすることが重要
中古のハイブリッド車を購入する際は、ぜひデルタSOCのチェックを忘れずに!