子育てをする中で「正しく育てなくては」「失敗させたくない」と不安を抱える親は多いものです。しかし、児童精神科医の沢先生によれば、そうした不安が知らず知らずのうちに子どもを不安にさせ、安心感を奪ってしまうことがあるそうです。
本記事では、沢先生の書籍をもとに、子どもを安心させるための接し方について解説します。
もくじ
子どもを不安にさせるNGな接し方3つ
1. 不安を煽る言葉を使う
例えば、以下のような言葉を子どもにかけていませんか?
- 「嘘をつくと警察に連れて行かれるよ」
- 「そんなことをすると友達がいなくなるよ」
- 「勉強しないと将来ダメになるよ」
このような言葉は、一見しつけのように思えますが、実際には子どもを不安にさせる脅しの一種です。親の言葉は子どもの自己肯定感に大きな影響を与えます。
子どもは「自分はダメな人間なのかもしれない」と思い込み、不安を抱えやすくなってしまいます。
2. 矛盾したメッセージを送る
例えば、以下のようなやり取りをしていませんか?
- 「分からないことがあったら聞いてね」と言ったのに、「そんなことも分からないの?」と責める
- 「宿題を早くやりなさい」と言ったのに、早く終わったら「適当にやるんじゃない!」と怒る
- 「怒らないから正直に言って」と言ったのに、正直に話したら怒る
こうした矛盾した言動(ダブルバインド)は、子どもを混乱させ、「何をしても怒られる」「どうしたらいいのか分からない」と不安を抱かせます。
3. 過度な期待をかける
「期待している」という言葉は、子どもにプレッシャーを与えがちです。
- 「期待してるよ」と言われると、「結果を出さなきゃいけない」というプレッシャーに
- 期待に応えられないと、「裏切ってしまった」と感じることも
子どもには「期待」ではなく、「応援」の姿勢を持つことが大切です。「ママは応援してるよ」と伝えることで、子どもはプレッシャーを感じず、のびのびと頑張れるようになります。
子どもを安心させる接し方3つ
1. 親が失敗する姿を見せる
「親は完璧じゃない」という姿を見せることで、子どもは「自分も失敗していいんだ」と思えるようになります。
もし親が間違ったことを言ってしまったら、「さっきは言いすぎちゃった、ごめんね」と素直に謝ることで、子どもも「失敗しても大丈夫」「謝ることは悪いことじゃない」と学ぶことができます。
2. 「あなたが大切」と伝える
子どもは、親からの愛情を言葉にして伝えてもらうことで安心します。
- 「あなたが大切だよ」
- 「あなたのママになれて幸せ」
- 「生まれてきてくれてありがとう」
こうした言葉は、どんなに思っていても、言葉にしないと子どもには伝わりません。
3. 親が笑顔でやりたいことをやる
親がイライラしながら子育てをすると、その雰囲気は子どもにも伝わります。
逆に、親が自分の時間を楽しみ、笑顔でいると、子どもも「ここにいていいんだ」と安心できます。
「子どものために」と無理をしすぎるのではなく、親自身が楽しむ時間を作ることが、結果的に子どもの安心につながります。
まとめ
子どもが安心して成長するために、以下のポイントを意識しましょう。
NGな接し方(不安を与える)
✅ 不安を煽る言葉を使わない
✅ 矛盾したメッセージを送らない
✅ 過度な期待をかけない
良い接し方(安心を与える)
✅ 親が失敗や謝る姿を見せる
✅ 「あなたが大切」と言葉で伝える
✅ 親自身が笑顔でやりたいことをする
子どもにとって、安心できる家庭こそが「自立」への第一歩。まずは親が肩の力を抜いて、笑顔で過ごすことから始めてみませんか?